まさゆき研究所

ライター・加藤まさゆきのブログです。デイリーポータルZなどに記事を書いています

僕は記憶のカプセルになりたい

“雨ざらしなら濡れるがいいサ だってどうせ傘など持ってねェんだ 時が来たなら終わるもいいサ それが俺の最後の運命だったら” earstern youth『雨曝しなら濡れるがいいさ』 10年前、僕は死ぬことにあまり興味がなかった。子供もいない、持ち家も財産もない。…

40代になると「自然が偉大」とか思い始める

今年の冬はとにかく寒く、緩む気配を見せない寒波にうんざりすることも多かった。 それでも救いなのは、冬至を境に確実に日の長さと高さが増大していくことである。一日ごと伸びていく夕方の長さには少しでも期待を持つことができたし、冬至には庭のふちまで…

数奇な猫の最期と、干物を焼いた日のこと

もう3年ほど前になるが、実家のマンションで飼われていた猫が13年の命を終えた。 亡くなる数日前。当時2歳の長女とともに。 学生時代からアパートで幾多の猫を飼い、さまざまな生涯を見てきた僕だけど、この猫の生涯は数奇であったなあ、と思うところがある…

足首骨折・入院記録⑤ プレート細菌感染・後半

■その1→【足首骨折・入院記録①初日~3日目 群馬での入院 】 ■その2→【足首骨折・入院記録②4日目~8日目 手術までの日々】 ■その3→【足首骨折・入院記録③9日目~13日目 手術から退院まで】 ■その4→【足首骨折・入院記録④ プレート細菌感染・前半】 …

とうとう落語(というか志ん朝)にはまっている

ここ最近、ツタヤで古今亭志ん朝の落語のCDをひたすら借りている。ちょっとしたきっかけがあってすっかり惚れ込んでしまった。 1月からずっと亡くなった叔父の遺品整理をぼつぼつしているのだが、そのなかに古今亭志ん朝のCDが1枚あった。叔父の家まで高速で…

加藤家の世界線、概念としてのプリキュア

5年前、子供が生まれたとき、 「もし今後、家の中では僕が創造した人造言語だけを使うようにしたら、この子はその言語のネイティブ話者になるのだろうか?」 などとくだらない妄想をしていたものである。 実際そんなことはもちろんしてないわけだが、そこま…

無関心は体育のテストを変えない。

『とある「社会問題A」に関して、ある人の表す態度が「沈黙」「無関心」であった場合、その人は問題Aに対して強者の立場にいる人である。』 という原理を、根が深いなと最近感じることがある。 というのも、先日、中学生が人種差別問題についてプレゼンテー…

読書レビュー『科学者の冒険』

それほど生物科学のニュースに平素から目を通していない人でも、「クジラとカバが同じ仲間であることが最近明らかになった」ことぐらいは何かの折に聞いて知っているのではないだろうか。 それを明らかにしたのが岡田典弘先生だ。筑波大学・東京工業大学で研…

一回も転ばなくても子供は自転車に乗れる。あと補助輪は悪。

子供(4歳前半)を自転車に乗せることに成功した。一回も転ぶことなく。 僕は運動にまったく才能がないため11歳ぐらいまで乗れず、子供時代の自己抑圧的な性格を生む原因のひとつになったので、自分の子供が自転車に乗りおくれないようにすることは育児にお…

行列のできない高校物理教員

教員として日々子供たちの学習に携わりその気持ちに寄り添っていると、蓋然的に、自分が中高生だった頃の気持ちも多少思い出しながら指導に当たることになる。 そして今となってはどうでもいいのだが、時折ふッと「ああ、おれ本当に数学ができなかったよなあ…

おれたちの耐用設計年数

昨年1年間、毎日やりきったことといえば猫への点滴である。 飼い猫が11歳になり、腎臓を悪くして毎日点滴をしなければいけなくなったのだ。昨年2月から土日祝日も含めて一日も休むことなく、点滴を続けてきた。 調べると、猫の腎臓というものはだいたい7〜8…

30代でお金をかけるようになったこと

僕は29歳のちょうど終わりの月に結婚したので、ちょうど30歳からライフスタイルがぐっと変わった。それから10年、意識的にお金をかけたなと思い出すことをちょっと記録したい。 1.コーヒー ドリップバッグのコーヒーは冷めると急激にまずくなるのが納得いか…

『極夜行』にシビれまくっている

仕事で極夜(白夜の逆)のことを調べているうちに『極夜行』という本に突きあたった。冬の北極圏の極夜の中を数カ月にわたって単独行をした探検家のノンフィクションだという。 極夜行 作者: 角幡唯介 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2018/02/09 メディ…

ヌルデが生えてきたぞ

先日、林さんと大北さんの記事で雑草担当として記事に出演してきた僕だが、記事のとおり基本的に植物好きなので、昨年買った自宅の庭も、植物が主役になるようにあれこれ工夫をこらしている。 荒地の分譲地を耕して1年目にしてはまあまあ良くできた。 草む…

子どもの言語2

「こもど」 子供が小さく単語の音を入れ違えて言ってしまうというのはよくあるという話で、うちの子供も堂々と「このイス、こもど用?」などと言っている。(もちろん正しくは「こども用」) 他にもいくつかそういう単語はあったのだが、「こもど」だけはい…

子どもの言語1

子ども(3歳)とシャボン玉をやると、たまに「おしりつき。」と嬉しそうにつぶやくことがある。 「おしりつき」が何なのかは分からない。聞いてみても「丸いのが、くっついてるの」と言うだけで要を得ない。 複数のシャボン玉がくっついて化学の分子モデル…

東京で暮らすこと、が遠くなっていく

このあいだ、地方と首都圏で転勤を繰り返す職種の友達から「やっぱり働いている人間の対応の優秀さは、都市化の度合いに比例する」との感想を聞いた。これは僕もそれなりに同意するところがある。私立学校で働いているが、やはり私学の本場は東京と大阪・兵…

努力2割

僕は麻雀を打つ。 小学生の頃、兄に付き合ってルールを覚えてから、そんなに熱心でもなくふらふらと打っている。最近はほとんどやってなかったが、この冬、久しぶりにやる機会があってちょっと集中的に打った。 そしてあらためて思ったのは、「基本的に運ゲ…

エッジの効いた名前

僕の人生にまつわる記憶の中で「エッジの効いた名前だ!」と初めて思ったのは、小学校3年生のときに転校してきた「タモンちゃん」だ。 タモンちゃんは本名を「阿曽沼 多聞」といい、そもそも阿曽沼というインパクトのある珍しい苗字をしているうえに、下の…

イラストレーターが買えない

僕は職業柄、オーダーデザインのはんこや印刷物を注文する必要に駆られることがある。そんなときに壁となるのが「入稿はIllustratorの.ai形式もしくは.eps形式に限ります」の文言だ。 急いで頼みたいときや、細かいニュアンスを伝えにくいときは、自分で作っ…

Good Bye from つくば市桜

僕は先月引っ越すまで、つくば市の桜という町に住んでいた。結婚を機に住み始めて10年、その間にデイリーポータルのライターを始め、猫を飼い、祖母と叔父と父が亡くなり、車も2台乗り換えた。そして子供が産まれて2年、さすがにアパートでは手狭になったの…

楽しさを全部楽しみたい

世の中にある楽しそうなこと全部楽しみたい、そう思って生きている。 ロックフェスも鉄道の旅も街角観察も、何でも行ってみれば、やってみれば、楽しい。デイリーポータルのライターもそう思って9年間続けてきた。 しかし最近いくつかのものをどうしても楽し…

作り続けることと「才能」

「才能がある」というのは「たくさんつくれる」ということ。たくさんつくれないやつはまあまあだ。細野晴臣も横尾忠則も桑田佳祐も桜井和寿も川谷絵音も村上春樹もジョン・レノンもたくさんつくっている。たくさんつくる、は絶対的な正義。 — くいしん (@Qui…

上人としての活動

近所の公園に遊具の土管があるが、中にものすごく砂が詰まっている。 長年の強風で砂が土管の中へと運ばれたんだと思う。運ばれた砂は一つの丘となり、土管の3分の1の高さまで砂が積もるようになっていた。20年以上かけて風で偏った砂は土管を覆い、さらにそ…

つくば市内で動物に触れあえる場所

子供を近場のお出かけに連れて行くのに、「動物見に行こう」というのが手っ取り早い。 20年もつくば生活をしていると、地味に動物出現ポイントを押さえることができているので、まとめてみたいと思う。 ウシ:筑波大・農林技術実験センター 概要:筑波大は柵…

「山岡家」のことを語らせろ

先日デイリーポータルで、ぬっきいさんがラーメンの山岡屋のことを記事にしてて、なんとも嬉しくなってしまった。 portal.nifty.com 山岡家のことを語らせたら筑波大OBは熱い。特に俺らぐらいの、35歳以上のOBは特に。 24時間やってる山岡家・牛久本店は貴重…

柏に住んでいたころのこと

そろそろいよいよ僕も30代でなくなってしまうのだが、最近なんとなく、柏に住んでいたころのことを思い出す。 僕は27歳の頃、1年だけ柏に住んでいたことがあったのだ。 このあたりのアパートだ。 東武野田線の柏駅と豊四季駅のちょうど中央あたりで、モロに…

台湾の「あの宮殿みたいなホテル」に泊まってきた を書きました

デイリーポータルZに記事を書きました。 作内ではいい感じに父の話をまとめているが、いや、実際はほんとにめんどーくさい性格をした父親で、この人の奇行のせいでデイリーの連載を3か月休まなければならなくなったことすらある。(編集部には迷惑をかけま…

クリスマスのミニスーファミと「未知の世界」

嫁さんがクリスマスにミニスーファミを買ってくれた。 比べるとこれ。手乗りサイズでかわいい。 ゼルダ、ファイヤーエムブレム、F-ZERO……僕らの世代を虜にしたゲームがぎっしり詰まっていて、その記憶を思い返せば尽きるところが無い。今思い返すと、よくも…

「いないいいないばあっ」と平和な世界

「NHK朝ドラはインフラ。」と言っている人を見て、何言ってるんだろう、ただのテレビ番組じゃないか、と思っていた僕だが、「いないいないばぁ!」はもはや我が家にとって完全なインフラである。 子役「ゆきちゃん」、着ぐるみ「わんわん」、手人形「うーた…