まさゆき研究所

ライター・加藤まさゆきのブログです。デイリーポータルZなどに記事を書いています

鼻から胃カメラをやってみた

(ふつうの真面目な話です)

25歳ぐらいの頃の話。

社会人を始めたら胃を壊し、朝飯の食べられない日が続いた。
医者に行ったらピロリ菌がめっちゃいっぱいいるということなので、除菌治療したついでに、胃カメラをやることになった。

世の中で医者の言う「とりあえず胃カメラ飲んでみましょう。最近のは楽だから」ほどのウソは無い。

僕以外に2人、うっかりその言葉を信じて胃カメラをやって世界の終わりのような苦しみを味わった人を知っている。(1人はDPZのさくらいさん)
20年経った今でも、生々しく思い出せる。
あれ以来「こんなこと二度とされないように、真っ当に健康に生きていこう」と健全な生活を指向するようになった。

 

あれから時が経ち、僕はいま年に一回、石の粉を溶かした下剤入りの液体を飲まされ、放射線を浴びながら台の上を縦横無尽に転がされるという、謎の処遇を受けている。
それ自体は胃カメラよりずっとましなのだが、下痢の後に便秘になり、さらに悪い時には痔にもなり、なのに得られる画像の精度は大して良くないという、モヤモヤの残る検査だ。

しかしこれを我慢しなければ、看護師2名に押さえつけられ叫びながら顔面全ての穴から液体を垂れ流すアレをしなくてはならない。それは無理だ。

昨年、ドック終了時の問診のお医者さんにこの悩みを相談したところ、過去に除菌も潰瘍もやっているなら、いっそ胃カメラにしましょう、鼻からなら相当に違いますよ、とアドバイスを受けたので経鼻の胃カメラをやってみることにした。

 

結論から言うと、楽ではないが、経口のときの20〜30%ぐらいには苦しいな、という感覚だ。

経口カメラが入ってくる時の「飲み込めるわけねーだろ!」という直感的抵抗と身体的拒絶はそれほどない。

鼻の奥を通るときに少し痛い。また、のどを通るときにも4〜5回「おえーっ」となるが、経口カメラのときの、精神を殺されたような感じにはならない。検査後も軽い放心状態ぐらいで済む。

1日ぐらいは鼻の奥が物理的に痛いが、おとなしくしていれば治る。

 

バリウムとどっちが嫌かとなると、少し悩むが、その瞬間だけで済むので、やや経鼻カメラのほうがマシに思える。なにより、得られる検査画像がカラーで鮮明なので、やった甲斐があった感じにもなる。

 

結論:来年からは予約頑張って経鼻カメラにしていきたい。