まさゆき研究所

ライター・加藤まさゆきのブログです。デイリーポータルZなどに記事を書いています

足首骨折・入院記録⑥最終回 どこまで運動ができるか

〜あらすじ3行〜
・2017年3月、雪山で滑落して、右足首を脱臼骨折
・手術してプレートを埋め込むも、1ヶ月半でプレートが細菌感染
・緊急手術をおこなったのち、17日の入院を経て社会復帰

 

そして5年後の今、前からやっていた運動で、復帰することができたのは、

・軽いジョギング
・登山

この二つである。

2019年に登った尾瀬至仏山

複雑でランダムな動きがないものは、なんとかなるようである。
足首自体はちょっとジンジンしても、深く痛むことは無い。

 

いちばんダメなのは「サッカー」だった。

近所の小学生や幼稚園児と遊びでやるようなものでも、ランダムな体重移動が悪いのだろう、翌日になると骨に刺し込むような痛みが出るようになった。
「スポーツ鬼ごっこ」という地域活動に回復したら参加してよ、と昔からの友達に誘われていたのだが、そんな高度な瞬発体重移動に耐えられる気がせず、断念せざるを得なかった。

 

長く趣味としていた「マラソンのレース」にも挑戦してみた。

退院してから1〜2年はジョギングするとダイレクトに痛む感じが強く、定期検診でも結果が良く無かったので出走は控えていたのだが、3年後の2020年、そろそろ走れるかもしれないという感覚があり、ハーフマラソンにエントリーした。

本番の2ヶ月前ぐらいから、出走に向けた練習を重ねた。
スピードを上げると明らかに痛むので、悪化を防ぐためにトレーニング後は氷の入ったバケツで足首ごと冷やし、湿布を巻いて寝るなどの対策も行った。

 

結果、無事に完走することができた。
タイムは2時間3分ぐらいだったと思う。

骨折した時はもうレースは二度と走れないと思っていたので、レースにエントリーし走り切ることで、過去の自分とリハビリで悩んでいる人に「大丈夫、走れるよ」と伝えたい!、という気持ちで頑張った。

しかしそれからしばらく受傷部は痛く、直後の定期検診で「順調に悪化してるね」と主治医の先生に申し渡されたので、レースに出るような練習はこれを最後にやめることにした。

それでも、骨折を乗り越えてレースに一度でも出ることができたので後悔は無い。

 

結果、主治医のおすすめと僕の嗜好がちょうど重なった到達地点は「自転車」である。
足首への負担も少なく、ちょうどいいリハビリにもなる。
僕自身も持久系・移動系の運動の方が好きなので、割と無理なく取り組める。
ハーフマラソンに出る少し前からロードバイクを始め、それほどの頻度でも無いが楽しむことができている。

いつかもう一度やってみたかった「空手」は到底できそうになくなってしまったのは残念だったが、かわりにニンテンドーSwitchの「フィットボクシング」を適当にやってなんとか楽しんでいる。

なお、スポーツでは無いが、ダメになってしまったものに「ビール」がある。
他の酒に比べて、飲むと明確に関節がむくむので、缶2本ぐらい飲むと翌朝足が熱く腫れる。最悪の場合、距骨の炎症が悪化して歩けなくなる。

というわけで骨折を機に「ビール」を大幅に減らし「自転車」を始めるようになったので、100歳ぐらいまで生きてしまったりするんではないかと、いい転機になった気さえしてしまう。