まさゆき研究所

ライター・加藤まさゆきのブログです。デイリーポータルZなどに記事を書いています

歩いて山手線、1周チャレンジ

「山手線1周を歩く」と「ことわざを実際に試してみる」は、平凡な企画のネタ例として双璧を為すように思うが、そうやって腐される割にやったこと無い人の方が多いのでは無いだろうか。

歩いて一周すると40kmを超え、並みの体力の人間ではそう簡単に完歩はできない。
そして実を言うと、いつか僕もやってはみたいなと、心の奥で思っていたことでもある。

めんどくさい感染症も治まってきたし、天気が良い秋の日に、秋葉原から反時計回りに歩き始めてみた。

チャレンジャーの基本情報

・年齢:40代男性。
・体力:マラソンは趣味だったが、最近は全然。
・都内の知識:18歳まで都内暮らし。学生時代からつくば市在住。

1 秋葉原

俺たちのつくばエクスプレス始発駅。

2 御徒町


朝陽を浴びるアメ横を歩き抜ける。いつの間にか中華都市化している。

3 上野


久しぶりに来たら、公園口側の横断歩道が消滅し広場になってた。いつから?

 


小道のような跨線橋跨線橋大好きなので、地図では見にくいものを一つずつ発見して楽しむ。

4 鶯谷


駅前の飲み屋街がエモい。


谷中霊園沿いのGoogleマップでは見えない小道を通る。アガる。
結婚したての頃、ここに親父と散歩にきて、親父が得意げになってヨメに有名人の墓をレクチャーしていたのを思い出す。今思い出してもマイペースが過ぎる。

 

5 日暮里


このあたり、跨線橋が多くて楽しい。
ヨチヨチの幼児たちが電車に夢中になっている。
うちの子供(小1)にも、あんな時期あったな、とメランコリーになる。
早く孫の顔が見たい。

 

6 西日暮里


でかい何らかの構造物。

 

7 田端


田端。降りたことが一度も無い。

 

西日暮里からここまで崖の上を歩く。北方向への見晴らしがいい。山手線は崖の下をずっと走る。駅の南口(上の写真)は崖っぺりにあってかっこいい。
初めてくる駅のうえに、見どころと情報量が多くて本当に来てよかったなと思った。


山手線はここで大きく南に転回する。
線路は崖を突き抜けるように掘り抜かれており、橋の上からよく見える。
しかし考えようによっては、山手線で田端の町が分断されているのだが、もうそういうものだと思ってみんな暮らしているのだろう。

 

8 駒込


山手線唯一の踏切が駒込駅の少し手前にある。もうじきなくなるらしい。あるうちに見られてよかった。詳しくは三土たつおさんの名記事を参照。

 

 

9 巣鴨


古い都営住宅撮ったら、ありえないほどナナメった。
少しずつ疲れ始めている。

10 大塚

通っていた高校があった駅。
30年経つが、ここの風景が全く変わっていなくて驚きのあまり目を疑う。
遺跡か。

 


毎朝、吐きそうになりながらチャリ漕いで駆け登った跨線橋(西巣鴨橋)が老朽化で取り壊されていた。寂しい。

 

11 池袋


下町ゾーン終わり。
さすがにちょっと足裏が痛い。

12 目白



13 高田馬場


「ザ・東京の街中」という風景が続く。特になし。

14 新大久保


足裏のマメが順調に成長してきて痛い。


思い出横丁に外国人観光客の姿が帰ってきた。嬉しい。
僕もここまで抑圧されたぶん、思い切り遊んで回ろうと心に誓う。

15 新宿


東口の果物屋が無くなったらしいが、見に行く元気が残っていない。
ちなみにここまで17km。
完歩は無理だろうなと悟る。

 

16 代々木

ビルの建て替えで、代々木駅の古いところが見られると聞いていたけど、もうあまりいっぱい見られなくなっていた。
でもちょっとだけ見えた。

 

17 原宿


駅舎が全然無くなっていて驚く。
完全に東京のペースから取り残されている。

 

18 渋谷


改修のニュースばかりは聞いていたが、変わりすぎてて訳がわからない。
(そもそもあまり詳しく無いが)


最高にしびれる跨線橋が渋谷〜恵比寿間にある。
今年度中に取り壊し予定と書いてあったので、目にすることができて本当によかった。
しかし足裏のマメが限界に達して、階段を昇り降りするたびに激痛が走る。
それでもこの渋い魅力の方が勝る。

こんなかっこいいものが、この世からなくなっていいのか。

 

19 恵比寿


ここも降りたことがない駅。


途中、スマホを差し入れるとありえないぐらいの至近距離で山手線を撮影できる場所があった。
体力はまだ持つが、これ以上足裏マメが悪化すると仕事できなくなるので、次の駅でのリタイアを決意。

 

20 目黒

ここで今日は打ち止め。自撮りを忘れた。

駅前で「がーなニ ショガッコウヲ タテテイマス!」と募金活動に声を張り上げる黒人男性を尻目に、どこかのマダムがメルセデスGLEで私立小に通う息子を迎えに来ていた。
マンガのような格差だ。
募金箱に1000円募金してから、山手線に乗り、秋葉原に戻った。

 

まとめ

・変化があって、ウォーキングのコースとしては楽しい
・いつでも補給&リタイアできるので、気軽に挑戦できる
・素人の完歩はきつい
・あらかじめGoogleマップでコースを登録しておいた。意外と分岐が複雑で難しいところもあるので、その方が不安がなくてよかった