子ども(3歳)とシャボン玉をやると、たまに「おしりつき。」と嬉しそうにつぶやくことがある。
「おしりつき」が何なのかは分からない。聞いてみても「丸いのが、くっついてるの」と言うだけで要を得ない。
複数のシャボン玉がくっついて化学の分子モデルみたいになってるやつのようにも思えるし、濡れた地面にくっついてドーム状になっているやつのようにも思える。
よく分からないが、3歳児がうれしそうに「おとうさん、みて、おしりつきだよ」と言ってくるので適当に調子を合わせている。
「おしりつき」が何なのか、その正体がもしこの先も分からないままなのだとしたら、その概念は彼女の中にだけ生まれ、そしてこの先、誰にも理解されないまま永久に消えていくのだと思うと、言葉って不思議なものだなと思う。