2月
つくば落語 三遊亭兼好 @カピオホール
現代落語界の頂点のひとり、兼好師匠がつくばに来てくれた(独演会)

落語家は割とシビアに、巡業に行った先の民度を測る傾向がある気がしている。
以前、マクラでつくばエクスプレスが「車窓になーんの変化もない」といじられていたこともあり、僕らつくば市民の民度は兼好師匠にどう評価されるのか、勝手に市民を代表してどきどきしてしまった。

初めて聞いた兼好師匠の『締め込み』は泣いて怒って怒って泣いての、夫の情けなさの描出が素晴らしく、師匠に対してのリスペクトがまたひと重ね更新される最高の体験だった。
なお、師匠のつくばへの感想は「若い世代(子供)が多い」だったのだが、その中でいきなり『宮戸川』をぶっこんでくる師匠の意気はすげぇなと、そこにもまた驚かされた。(幼馴染の男と女がひとつ布団に寝ることになり……というスジ)
僕も8歳の娘連れで行ったのだが、宮戸川の終わりどころを知らなかったうちのかみさんは「この話はいったいどこまで行くの……!」と気が気ではなかったらしい
浅草2月上席
寄席演芸は生きている芸なので、見られるときに見ておかないと、あとからどうにも間に合わなくなってしまう。
もう半年早く寄席に行きはじめていれば小三治を見られたのにと、僕は今でも後悔している。

というわけで遊三師匠(86歳)がトリの浅草。伯山も文治も出るしと思い足を運ぶ。

大ネタ『火焔太鼓』、志ん朝のCDでは何度も聴いているが、意外に寄席でほとんど聞いたことがなかったので、すごく嬉しかった。
遊三師匠は素晴らしく元気で、正月の笑点「師弟大喜利」に出演されたときもすごいなーと思ったが、またあらためてその達者ぶりにおどろかされた。またひとつ人生の思い出ができた。
しかし思い出すにあの師弟大喜利、遊三・一朝・志の輔・伸治が共演してたのは本当にすごい。好楽の弟子枠が7代目円楽だったのは笑点的にはしょうがないけど、弟子じゃないし、むしろ真に弟子である兼好師匠を笑点で見たかったと思っている落語ファンは少なくないと思う。
落語教育委員会 @なかのZEROホール
その兼好師匠が今月2回目。大人気の定期興行「落語教育委員会」のチケットが取れたのは初めてなので、期待に胸を膨らませての中野。


『明烏』!
ぼくは志ん朝師匠の『明烏』が大好きで、CDで何度も聞いて何度も笑ってしまうのだけど、初めて生で、しかも兼好師匠で聞けて、この瞬間のために劇場通いをしてたのだな……と思うぐらいに嬉しい遭遇だった。
そしてやっぱり超絶おもしろい。
このネタ、夜明けの朝に食べている茶請けを定番の「甘納豆」から「梅干し」に志ん朝は変えてて、その効果が大好きなのだが、そこからさらにこうするんだ!というアレンジが上手くてひーひー言うくらいに笑わされた。
本当にすごい。はやく圓生を襲名してほしい。
おまけ

中野を散歩してたら見つけた米の自販機。
子供の頃、近所の米屋にもあったなーとしばし感慨にふける。
3月
末広亭3月上席 桂米丸追善興行
発表と同時に、全落語ファンが震撼した歴史的興行。
落語団体五派が一堂に会した「桂米丸追善興行」、通称「米助祭り」。(桂米助がフィクサーとして成立させたので)

顔付表。
3度見、5度見したどころか、落語ファンに「これを見ながら一晩酒が飲める」と言わしめた、驚異的な面々のそろいぶみである。

前売りチケットは発売後5分でほとんど完売状態。
僕も壮絶な争奪戦に参加し、なんとか休みの取れている平日のチケットを押さえることができた。


やっとタイミングの合った二葉さんは、十八番の『上燗屋』。
女性初のNHK新人大賞で話題になったが、アホのおっさんを完璧な完成度で描いていく芸で観客を飲み込み、気がつけば持ち時間が終わっていた。受賞したことなんて全く思い出させない、圧倒的な芸だった。
七代目円楽は、前日までの披露興行を終えて、初の高座がこの米助祭り。客席から「師匠!」「七代目!」と掛かる声が末広亭に響き渡っていた。
僕は右後ろの売店近くの席に座っていたのだが、三三師匠が、じいっと静かに、長い間、売店の隅から高座を眺めていた。
こんな熱気に溢れた寄席は、そうは見られないだろうが、平熱みたいな感じで進んでいく寄席も僕は好きなので、引き続き寄席へ通っていく予定です。