まさゆき研究所

ライター・加藤まさゆきのブログです。デイリーポータルZなどに記事を書いています

格安SIMにしたんだドーン

格安SIMにした。ソフトバンクiPhone6(SIMロックあり)で。

結果的には成功したので、喜びの記録を残したい。

 

ソフトバンクに失望した

iPhone4は、僕の人生で世界観を変えた物ベスト3に間違いなく入る物体で、こんな素晴らしいものをいち早く日本に導入してくれたソフトバンクには少なからぬ好意というか、恩義というか、そういうものを抱いていた。

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こんな記事も書いた↑

@nifty:デイリーポータルZ:iPhoneで遊ぼう!地球宝探しゲーム!

 

それまでの携帯電話の「ワンセグ」や「着うた」のような、企業側の押し付けサービスに辟易としていた日本のユーザーを救ってくれたのは、間違いなくソフトバンクiPhoneだったと思っている。

そんな恩義もあって長らくiPhoneを使ってきたのだが、スマホを取り巻く環境もずいぶん変わってきて、だんだん値上がりしていく使用料にも疑問を感じ、ここ1年はガラケーに戻すかなぐらいにさえ思っていた。

 

情報弱者と呼ばれて

情弱(情報弱者)というネットスラングがあるが、僕はWebライターのくせにそれに近く、Wi-Fiが何なのかを知らずデイリーのみなさんに笑われたこともある。

というわけでつい最近までSIMに格安サービスなんてものがあるのを全く知らず、ガラケーに戻さなくてもiPhoneを超格安で使い続けられるサービスがあると聞いて驚愕した。

しかもSIMロックはなんかアダプタみたいなので苦も無く解除できるのだという。すごい時代だ。ここはひとつ重い腰を上げようじゃないかと、個人ブログから各社公式サイト、amazonレビューから価格コムまで手広く調べてみることにした。

情弱からの脱出に向けたのろしが上がった瞬間である。

 

ソフトバンクの悪口・その2

もうひとつ、格安SIMにしようと思ったのに理由がある。ソフトバンクの勧誘メールがしつこいのだ。

公式から「お客様はまだ長期割引特典に申し込まれていません」みたいなメールが来て、なになにと思って見に行くと、「ヤフーショッピングのポイントで長期利用者に還元!」とか冗談みたいなことが書いてある。これがしょっちゅう来るのだ。

さらに利用料金の確認画面に行ったときにも、スマホの画面全体にほわぁ~と浮かび上がってくる最悪にうっとおしい方式の広告で「長期利用者にポイント還元!」とか出てくるのである。

こういうベタベタしたサービスが嫌いな人を集めてiPhoneは支持を得たんじゃなかったのか。これまでソフトバンクを支持してくれた人を敵に回したいのか。この点についてはソフトバンクには猛省を促したい。

 

SIM会社選び

僕の知らぬうちに格安SIMの会社は百花繚乱状態になっており、こういうのを選ぶのが苦手なので一瞬たじろいだが、使っているプロバイダであるBIGLOBE格安SIMのサービスをやっていたので、そのまま申し込むことにした。

性能テストのページにも試験したSIMの例として出てくるから、まあ、そこそこメジャーなんだろうし、何より新しく利用料金の支払いを申し込まなくてもいいのも気が楽だ。

これまでソフトバンクの「スマ放題ライト」に5GBのデータをつけて月々7900円ぐらい払わされていたが、BIGLOBEの3GBのコースに60分の通話をつけても2500円ぐらいである。5000円以上安くなるぞ。まじか。衝撃だ。水道・電気・ガス、全部節約してもここまで節約するのは難しい。

1年で60,000円とすると、途中解約金とか手数料とか、いろいろ考えても圧倒的に元が取れる。すげえな、すごいぞ、格安SIM。こういうシンプルでスマートなサービスが欲しかったんだ。

 

ソフトバンク解約&MNP申込み

激安の事実に打ちのめされた衝撃も醒めぬうちに、ソフトバンクショップに向かって解約&MNPを申し込む。解約時にもっと引き止められたりするのかなと思っていたが、そんなことは一切なく、解約理由のアンケートすらなく、あっさり解約とMNP番号取得は終わった。
ショップの方も、この時勢、解約を決めた客に何を言っても引き止められないのはもう分かり切っているのかもしれない。

解約を申し込んだその夜に、ネット経由で格安SIMの申し込みを済ます。

 

SIMロック解除アダプター「Smart King X」

僕が買ったiPhone6はまだSIMロックが禁止になる前の機種なので、これを解除する必要がある。

昔、そういうの好きな友人があれこれと挑戦したブログ書いているのは見ては「めんどくさそうー」と思っていたのだが、今やこれが一瞬で終わる時代になっていた。

SmartkingX スマートキングX

SIMと一緒に挿すだけでロックが解除できるという。これを通称「SIM下駄」と言うらしい。しかも2500円やそこらで、こんなすごいものが買えるのだという。やばいぜデジタル日本。MNPの申込みも終わったのでamazonで注文したら、翌日には届いた。あとはSIMさんの到着を待つだけである。

 

まさかの「圏外」……!?

さらにその翌日、つまりソフトバンクを解約した2日後、早くもSIMは届いた。

ANP設定とか、10分で終わるレベルの少しだけめんどくさいこともやったが、そのへんのことは他のサイトに書いてある。しかしそれらを済ませてもつながらない。

設定を見るとSIMを「ドコモ」と認識しているので、おそらくSIM下駄の方では、SIMのロックを解除できている。だが、画面には「圏外」と表示されてしまうのだ。

ネットワークリセットを何度かかけても治らないし、ソフトバンクのSIMに戻してももちろんダメだし、おいおい、これからしばらく電話無し生活かよ!、と少し焦ったのだが、ちょっと勇気をもってiPhoneの「設定全リセット」をかけたら回復して、無事にドコモの電波を拾ってくれた。たぶんiPhone4時代から延々とデータ復元を繰り返させてここまで使ってきたので、亡霊的な何かが残っていたんだと思う。

設定リセットをかけたら工場出荷状態になってしまうのかと最初はためらっていたのだが、ハードの設定がクリアされるだけで、アプリや写真や電話帳データは特に消えたりしない。これに踏み切るのに2~3時間かかったので、今となっては最初から思い切ってやっておけばよかったなと思う。

 

というわけでvodafone時代からかれこれ15年は使っていた回線に別れを告げてしまった。たった3日間ですべてが終わってしまったので、あんなに続いた関係がこれだけで……、と離婚届を出したあとの人みたいな気持ちに軽く襲われているのだが、今のところLINEもポケモンも快調に動いている。