まさゆき研究所

ライター・加藤まさゆきのブログです。ニフティ・デイリーポータルZに記事を書いています

足首骨折・入院記録④ プレート細菌感染・前半

■その1→【足首骨折・入院記録①初日~3日目 群馬での入院 

■その2→【足首骨折・入院記録②4日目~8日目 手術までの日々

■その3→【足首骨折・入院記録③9日目~13日目 手術から退院まで

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無事にプレートが埋め込まれた足首。

 

基本的な治療の流れ

無事に手術も成功し、経過が良ければ、以下の流れで治療を進めてリハビリに向かうとの説明を主治医の先生から受けていた。 

  • 術後2週…一回ギプスを巻き直す(腫れが引いて緩んでくるため)
  • 術後3週…ギプスからU字シーネへ付け替え
  • 術後6週…U字シーネから装具へ付け替え

シーネとは患部に副える硬い板のことだ。

ギプスと違って取り外しできるので、これに置き換わると、外して風呂に入れるようになる。それまではギプスにゴミ袋巻いて入るしかなかったので、全身を遠慮なく水で洗えるということの開放感がものすごかった。 

 

そして装具とは以下の物体だ。

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サポーターの親分のような物体だが、見た目は義足の子分のようでもある。

これに置き換わると、なんと靴を履けるようになる。

付け替えた最初の瞬間はすごく怖いが、両足に靴を履いて歩ける喜びはすごい。シーネと包帯からの解放は社会復帰の象徴のようでもあり、ここまで来たぞー!と嬉しくなって無駄に歩き回ってしまう。

 

回復は極めて順調、のはすだった

退院してすぐはさすがに体がだるく足を上げていないとじんじん痛んだが、回復は極めて順調で、定期通院のたびに先生にほめられ、3週経ってシーネに換装しても快調は続き、6週経って装具になる頃には軽快にスタスタと歩けるようになっていた。

突然の発熱

発熱初日

装具になって5日目、術後で言えば7週目ぐらいだろうか。
ある日突然全身がけだるくなり、熱が37.7℃まで上がってしまって、プレートを埋めた側の傷が腫れて痛み出した。

このときは「風邪かな?やっぱり風邪ひくと傷も腫れるんだなあ」ぐらいに思い、体を暖かくし寝た。この時点で病院に行けば大丈夫だったのかもしれないが、さすがにそんな判断ができるほど医学に詳しくない。

発熱2~4日目

体調不良が相変わらず続き、夜になると微熱が出る。熱が出る以外に風邪らしい症状が全くなかったので、うすうす「あ、これは手術跡が腫れてるのかな?」と気づくが、特に劇的に悪化することもなかったので、「まあ、腫れることもあるだろう」ぐらいで受け流し、普通に生活をしていた。

いま思えば、この時点で病院に行っておけば良かったなと思うが、ゴールデンウィークだったので何となく足が遠のく。

発熱5~6日目

5日目の夜になって傷跡が急激に痛み出す

あまりに痛いので氷のうを作って足を冷やす。発熱も37℃後半まで再び上がる。

傷跡どころか、もはや足首の関節全体がどこをどう触っても痛むようになり、足を全く地面に着けなくなる。家で完全に寝込むしかなくなり、トイレの移動も松葉杖の生活に逆戻りする。

いま思えば、この時点で確実に病院に行っておけば良かったのだが、冷やしてれば治るかなと甘く見る。

発熱7~9日目

前日までのひどさは無いものの、相変わらず熱も腫れも痛みも続く。動くとやばそうなので引き続き寝て過ごす。

ここらでさすがにまずいような気もしていたのだが、特に悪化はしていなかったので、定期通院の日が次の日だったのもあり、氷で冷やしてしのぐ。9日目には熱も引く。

発熱10日目

定期通院なので病院に行き、先生にこの10日間の発熱と病状の記録をエクセルの表にまとめたものを見せて話をしたところ、緊急血液検査となる。細菌による術後感染症の可能性があるとのこと。足全体の腫れ具合も悪い、と。

とりあえず抗生剤を最大量まで処方され、異変があったらすぐに連絡するように言われる。 

発熱11日目

夜になり傷口の膨らみから膿が出てくる。細菌感染であることが確定する。

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ずっと氷で冷やしていたのだが、傷跡に一ヶ所、皮膚としての張りが全くない場所があるのを発見。一か八かで針でつつくと、あとからあとからあふれ出るように膿が出てきた。腫れた足を絞り上げるように圧迫して膿を出し切る。おれは『はだしのゲン』か。

これは入院と言われたパターンだ……、と主治医の言葉が頭をよぎる。夜中だったので翌日相談することにするが、さすがに不安で寝られない。

発熱12日目 

出勤したのち、勤務先から主治医に昨日の件を電話すると「いますぐに飲まず食わずで病院に来なさい、即入院、即手術」と言われ、嘘のような速さで職場から姿を消すことになる。

 

まぼろしのように過ぎていった再手術

最初の骨折のときもまぼろし感があったが、このときのまぼろし感も負けずにすごかった。

12:30に病院に行くと同時に各種検査、検査が終わると病室に案内され、へーっと思っていると、手術の日程の知らせより前に麻酔科医さんが麻酔の説明に来て、あれれー日程決まったのーと思っている間も無く、翌日に全身麻酔を処置され、意識も無いうちに2か月前に埋め込んだプレートを抜き取られた。

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最初に電話した時点で、主治医の先生が全ての段取りを整えておいてくれたらしい。

なんでも、プレートは血液が通わないため感染から回復しにくく、一度感染してしまったらさっさと抜き取るのが最上策らしい。空港でゲート通るたびにピーって鳴って、「あ、プレート埋めてんスよ」とか言うのも一興かなと思っていたのだが、夢ははかなく崩れた。

手術の翌朝、布団の中を見ると見たことのない「血袋」がぶら下がっていた。ここから2週間以上、僕はさらに入院生活を続けることになる。

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