まさゆき研究所

ライター・加藤まさゆきのブログです。デイリーポータルZなどに記事を書いています

人間ドックと「あしたのジョー」

人間ドック4年目、毎年同じ病院に通い続けている。

2年目ぐらいはバリウムでかなりイヤになったが、慣れてくると半日断食したり集中して検査をされたりするのもプチ入院みたいで、余裕を持って楽しめるようになってきた。全員が検査服を着てるのピースフルな休憩室で検査を待ちながら、本棚にある「三国志」や「ゴルゴ13」を読むのは悪くない。
きょうは黄巾党の乱から董卓の台頭までを復習した。名シーン「とてもつらい」も再読できた。

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バリウムの苦手を克服したコツは、技師の人に「バリウム飲むのが苦手です」と最初に言うことだ。初めて行ったとき、若い女の子の技師に「早く飲んで―、全部飲んでー」みたいなプレッシャーをかけられて、それが苦手の壁だったんだけど、最初に言ってしまえば「2分ぐらいかかってもいいですから」と優しくしてもらえて、あの甘い石の粉に自分のペースで立ち向かえる。

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検査の中では「眼圧検査」がいつも気になる。見える画面がスターウォーズの宇宙戦闘シーンみたいでかっこいい。それに油断しているととつぜん空気砲みたいなのを眼球に浴びせかけられる。ディズニーランドのアトラクションみたいだ。
検査は、眼球の正面に3回空気を浴びせられるまでしっかりと目を見開いていけない。目を閉じてしまうとやり直しである。
3回当たって、残機が3機やられてゲームオーバーみたいな形で検査が終わるのも面白い。

 

ところで僕の行く病院はやたらと受付が早い。指定時刻は8:30なんだけど、指定通りに行くと出遅れてかなり待つことになる。今年は学習したので、すごく眠いのを押して8時前に行ったのだが、受付番号は30番で特に早くもなかった。おかげでまだ目がぼんやりしているのに視力検査になり、全然見えなくてメガネを買わされるんじゃないかとあせった。
他の検査客たちはいったいいつ来ているのか。いったい何時に来たら一位を取れるのか。そして年々早くなっていったら寒稽古みたいになるんじゃないか。いろいろ考えてしまう。

 

検査結果は毎年ほとんど問題が無い。
ただおととし、血液検査だけものすごく悪かった。はじめて変な*マークみたいなの付けられた。しかし原因が前日にフルマラソンを走ったこと以外に思い当たらず、それを医師に言ったら認めてもらえなかった。
でもそれ以来ぼくは「マラソンは体に悪い」という説に確信を抱いている。

 

検査が全部終わった後に病院食堂に行くと、人間ドックの人限定で刺身と天ぷらの入った「ねぎらい膳」みたいなものを出してもらえる。

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この食堂には「あしたのジョー」と「闇金ウシジマ君」があるから、バリウムの腹痛と闘いながら1時間半ほどゆっくり過ごす。

今日読んだあしたのジョーに出てきたボクサーは、丸っきりストリートファイターブランカのモデルとなったのんだろうなというキャラだった。

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野生で育って、素早い動きと長い手足で相手を翻弄しながら、回転パンチを放つ。
噛みついたりもするし、何よりあごのシャクレ具合がそのものだ。きょうもまた一つ新しいことを学んだ。

来年はどの漫画の何巻を読もうか、また楽しみに出かけようと思う。