「いやー漫画ってまだまだ面白くなれるんだなー」、と『とんかつDJアゲ太郎』を読んで心底実感した。
去年ぐらいから、漫画の趣味がいい友達に推されていたんだけど、既刊6巻一気に借りて読んだら、その猛烈な面白さに頭がくらくらした。
とんかつ屋の制服のままレコードを回す主人公「アゲ太郎」
無垢な少年の成長譚というジャンプ漫画の王道手法への、「とんかつとDJは同じ」というワケ分からないテーマの掛け合わせ。
実験的手法のように思えるけれど、王道を踏襲しているおかげで読みやすいし、キャラクターの個性もビキッと立っていて、読み飽きることが全くない。
登場するだけですでに気持ちいい、「VJコマツナギ」
こんな破天荒な展開なのにツッコミを一切入れないスタンスがギャグ漫画のようでありつつも、シリアス漫画としても読め、不思議な温度感を保つ。
トーンをあまり使わず、ベタを多用して二階調気味に全て手書きで仕上げられた絵には迫力があり、クラブの雰囲気や音楽の魅力が、地肌にまで伝わってくるようだ。
こんな漫画のありかたがあったのか……。
猛烈にはまってしまって、おもわずオフィシャルグッズの通販サイトまで調べた。
読むとアゲ太郎の服がかっこよく思えてきてしまうので、かぶっている「しぶかつ」の帽子とか、DJイベント"LARDCITY"のシャツとか本当に欲しくなってしまう。すごい魔力だ。
そして、読後には猛烈にクラブに行きたくなり、とんかつが食べたくなる。
矢も楯もたまらず馴染みの店にとんかつを買いに行った。
ぼくの「ソウルとんかつ」とも言えるかつ大ロースカツ弁当
行ったらちょうど、久しぶりに店のグッズを作ったんだということで、偶然にも店主のおじさんから「かつ大」のオフィシャルTシャツを1枚もらうことができた。
「しぶかつ」グッズよりもうれしい。ありがとうおじさん、おばさん。
僕の熱意が天に通じたのかもしれない。めっちゃアガる。
というわけでせっかくなのでモロに影響を受けたままロースとんかつ弁当を喰らい、この「かつ大」Tを着て渋谷のクラブに繰り出して行きたいと思う。