まさゆき研究所

ライター・加藤まさゆきのブログです。デイリーポータルZなどに記事を書いています

へうげもの、ほか

ものすごく面白くて大好きな作品なんだけど、新刊が出るたびにストーリを追うのが大変なので、新刊が5冊くらい溜まってから読もうと思っている作品のひとつ『へうげもの』を20巻まで読んだ。

すごい、テンションが全然落ちていない。

信長が、利休が、そして秀吉が死に、関ケ原も終わり、戦国の主要イベントは全部終わったのに、それでも読ませるこのキャラクターの強さ。ニューキャラ「帝」の立ちっぷりがまたすごい。ここまでキャラを立てつくした後にまたあのキャラを立ててくる作者の力。

そして清正の最期のシーンが最高すぎる。ありえない、ありえなさすぎる。

マンガの旨みが全部詰め込まれ切ったかのようなこの作品のパワーには本当に驚嘆させられっぱなしだ。

と思ったら新刊が出てた。

読みたい。もういっそ今さらでも全巻買って、1巻から何度でも読み返そうかという気持ちになる。

作品の根底にある「歴史のつめたさ」に対するまなざしも心に深く突き刺さるものがあり、さいきん「家族愛」だの「女性の自立」だのという生っちょろいテーマに傾倒しがちなNHK大河ドラマさんはこの作品を読んで、いま一度居住まいを正してほしい。

 

その他、新刊溜まり待ちの作品 

ヴィンランド・サガ(16) (アフタヌーンKC)

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→農場編になってから激アツの展開に泣く。

昭和元禄落語心中(1) (ITANコミックス)

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 →姐さんと結婚する決意の心理描写がやや不足してて少し醒めてしまったのだけど、そんなこと気にならないほどに大期待。

 →連載再開しないんかなあ……